綾鷹のCMがうまい件について


綾鷹のCM。

うまい具合に出来ているけど、どこがうまいかというと「言葉選び」とそれが与える感情を利用した「イメージの転換」らへんですかね。

まず、「日本全国綾鷹試験」としたところから、CMにストーリーを持たせている点がまずユニーク。

そして、その「試験」を受けるのが(具体的にはよくわからないがとりあえず)都内日本料理店の板前さんであるというところから"おっ!"と思わせることが出来ていますよね。

数字にもトリックがあります。まず、こういったアンケートは集計母数に着目しなければ意味がありません。なぜならそのアンケートの規模により結果が信頼できるものかどうかがある程度予想できるからです。例えば、選挙について誰に投票するか聞く際、10人に聞いて一番多かった候補者と、1000人に聞いた結果一番多かった候補者の名前であればどちらの結果を信頼するべきかは一目瞭然。で、今回の綾鷹については100人ということなので、特段に信頼に足るものではないんじゃないかなーという印象。でも、そこを小さな字にしてグラフ表示にしちゃうことで、"他社よりもすごいですよー"的な内容を一瞬だけ見せる構成はいい感じです。


何よりも一番うまいのは、このCMが「急須で入れた緑茶にもっとも近いものはどれ?」という内容だったにも関わらず、最終的には「にごりは旨み」の1フレーズで他社製品よりも美味しいですよと伝えているところ。板前さんがみんなそう言ってるんだしみたいな感じで納得感もあるように思います。

最終的にこの辺の納得感をうまく創り出すことが出来るのも、コカコーラのマーケティング力なのかもしれませんね。