リクルート「創刊男」の発想術 【書評:ビジネス書】


リクルート

従業員を甘やかさないことで有名?な会社。


本書で一番重要な内容は以下の5点。

面白くない文章でも、実践しながら読むとがぜん腑に落ちて響いてくる。
次々と人に会って、聞いて、聞いて、聞きまくる。
ひたすらにブレストを繰り返す。
並行してさらに聞きまくる。
「不」のつく日本語を探し出す



それも含めて本書の良かった点を以下に箇条書きにてまとめてみました。

・「生まれて初めてにチャレンジする」ということは、「自分から遠いテーマに挑戦する」ということである。そして、その際には、次の3つの作業に没頭する。

資料を読みまくる
人に聞きまくる
とにかく実践する

これにより、知らないうちに使ってない脳みそのある部分が拡張されていく。知らなかった世間のある部分が脳みその中に入り込んでくる。


まず、人に謝罪をすると嫌でも「聞きまくる」ことになる。その際に重要となるのが以下の点。

「3レター(業界の略語)は知っているのか」
「あの人に会ったのか」
「業界の歴史は知ってるのか」
「不勉強だ」

ここから、当然資料も読みまくるようになる。

怒る時、人は「ホンネ」しか言わない。

だからこそ、それになるほどと思ったら、すぐに実践しまくる。


・市場調査とマーケティング調査の違い

市場調査とは、きのうまでの「人の行動」を数字で知ること。
マーケティング調査とは、明日からの「人の気持ち」を言葉で知ること。


・自分の意見に対する反論に対しては、5w1hの相槌を打つ。

「なるほど。いつ頃からそんなふうに思われたのですか?」
「それってどなたの事ですか」
「市場とはどの辺の範囲を?」

いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どのように。

上記のフレームワークに沿って相手の主張を徹底的に吸収する。



・ブレストの目的は四つ。

どんな夢を実現するのか
誰に提供するのか
何を提供するのか
どんなカタチにするのか


グーテンベルクが最初に印刷したもの=聖書と地図。

つまり、読む物と使う物である。

リクルートは「使うもの」を創り続けてきた。利用者にとっての使う物である。



・事業の目的の定義はただ一つ。顧客を創造することである。 ピーター・ドラッカー


・ユーザーの不平不満を徹底して排除し続けること。そこから裏返しの満足を発見すること。そして、それをなんとか実現すること。ごく当たり前の努力に、業績も株価も必ずあとからついて来る。


江副さんの本も読んだけど、個人的には本書の方が好みでした。

リクルート「創刊男」の大ヒット発想術 (日経ビジネス人文庫)