リーダーシップでいちばん大切なこと【書評:ビジネス書】
リーダーシップでいちばん大切なこと
酒井 穣
日本能率協会マネジメントセンター
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初発心時、便成正覚
これは「初めて発心した時、すなわち正覚を成ず」という、華厳経の言葉です。「発心」とは、あることを「しよう」と思い立つこと。「正覚」とは仏教における「悟り」のこと。
つまり、意訳すれば
「人は何かをしようと決めたとき、既に成功している」
これは本書のメインテーマに通ずるものであり、「リーダーシップとはなにか?」これらが本書において論じている中心になる部分。
「リーダーシップとは、孤独を受け入れ、他の誰でもない、自分自身の人生を誠実に生きる力のことであり、リーダーとは、その力を持っているか、または持とうとしている人」とまず本書は定義しています。
確かに、リーダーだからといって、多くのフォロワーを抱えているわけではありません。サッカー日本代表の中田英寿さんも本当に頑張っておられましたが、メディアが報道する内容は孤軍奮闘を象徴する内容だったように思います。僕自身はそのように感じたことは一切ありませんでしたが、この例からもわかるように、絶対的なリーダーシップを発揮している場合でも、そこにフォロワーがいるかどうかは全く関係ないものです。ゆえに「フォロワーがいるからそれがリーダーシップになる」ということは間違いであるということになります。そして、リーダーにフォロワーが出来るケースは、言わば結果論に過ぎないのです。
自分の死を受け入れた人々は、この世界の想像を絶する美しさに気が付き、自から存在することに感動し、今という瞬間を味わい尽くすそうです。そして、自分が死ぬ事実を意識してこなかったことを悔やみ、その気づいた瞬間から何とか自分が生きた証を残そうとするのです。
元ライブドアの堀江貴文さんも著書か何かでおっしゃっていましたが「怖いのは自分の死。だからそれを常に意識していて、死ぬからこそ、無駄な時間は一秒でも過ごしたくない」と。死ななければ何でも出来ますが、それは万人に共通のものであり、いつ訪れるかは誰にも予測出来ないものです。「無知の知」とは大分違うかもしれませんが、それすら意識せずに生活を続けてきて、ある日、その日時、自分の人生の結末が確定してしまったら?と考えると、僕自身も「生きた証」を残すためになにが出来るだろうか?と必死に考えるだろうと思います。
つまり、自分のリーダーシップを必要としているのは、どこの誰かという「他者」ではなく、たった一度の人生を、自分の価値観に従って生き抜こうとする「自分自身」なのです。p34.
「迷ったときは、笑えるほうに」
テリー伊藤
若い頃は、本当にやりたいことはなかなか見つからないものです。その代わり「やりたくないこと」はみんなわかります。そうした「やりたくないこと」を避けていくと、断片的であっても「好きなこと」が少しづつみえてくるようになります。
つまり、自分が本当に「やりたいこと」というのは、こうした断片的な「好きなこと」を編集することでしか得られないのです。
自分を諦めない。
身近にすごい人がいるなら、その人との能力の差に嘆くより、その人の行動を真似て自分のモノにしていく。自分のスタイルに取り込んでいく。これってみんなが出来ているわけではないですよね。ぼくもたまにやることもあります。が、本当に興味のあることだけです。だから、興味のあることからまずは始めて行く。この気持ちも大事です。
「自分の考えたとおりに生きなければならない。そうでないと、自分が生きたとおりに考えてしまう」
ポール・プールジェ
まさにこのとおり。
後悔したくないからこそ、一秒、一瞬を精一杯生きる。
数年後、笑っているのは誰なのか。その時に分かる。
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