ザッポス伝説 トニー・シェイとAmazon

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こんばんわ。今日はオンライン靴店の「ザッポス」について取り上げたいと思います。


本書はザッポスがアマゾンに買収されるまでの詳細な経緯について書かれたものです。

ザッポスCEOのトニー・シェイさんが経営してきた全ての企業に関する歴史、及びハーバード大学時代への回想、さらには初めて取り組んだミミズビジネスについてまで、ほんとに人生の初期のころの経験から遡ることで、ザッポスについて知ることが出来るのみならず、トニー・シェイさんの自伝としても最高の出来となっているのではないでしょうか。


ところで、ザッポスを知らない人のためにまずは要約を掲載。

ザッポスは米国で靴のネット通販という市場を切り開いたパイオニア的存在である。アマゾンの「Javari(ジャヴァリ)」が産声を上げるはるか昔に、「ネットで靴を買う」という非常識を常識に変えたのがザッポスであった。送料は行きも帰り(返品)も無料、365日返品OKなど、今日、靴のネット通販市場でスタンダード化しているサービス・ポリシーの数々も、もとはといえばザッポスが考案したものだ。

最も有名なのは,母親を突然亡くしたため,プレゼント用に購入したシューズを返品したいと申し出た女性の話だ。電話を受けたコールセンター社員は,悲しみにくれる彼女の元に宅配業者(規約では顧客が集配所まで持っていく必要がある)を手配するとともに,翌日には手書きのメッセージカードを添えた色鮮やかなお悔やみの花束を届けたのだ。感激のあまり号泣した彼女は,その感動をブログにつづり,それがネットを駆け巡ることになった。


次に、実際に企業の概要などについてまとめた講演の動画を見つけたので掲載しておきます。



付け加えると、ザッポスの理念やビジネスの仕組みそのものについては「ザッポスの奇跡」を読んだ方がいい。

今回ご紹介する「ザッポス伝説」の日本語訳が出版されるにあたり、過去既に出版されていたザッポスの奇跡が大幅に改訂されて再出版されました。


こちらもおすすめ。


カスタマーサービスに関わる全ての人にとって、ザッポスが考える「お客様ありき」のビジネスについて学ぶ事は必要不可欠だと思います。

例えてあげるなら、以下のようなバリューがあります。

・ザッポスは社員と顧客のために幸せを創造し,幸せを届けることを目的とした会社だ。
・ザッポスの経営フォーカスは「企業文化」。顧客サービスを中核にした企業文化を築き,社員で育むことだ。
・ザッポスのコンタクトセンター(CLTと略)にはマニュアルがない。電話応対する社員の裁量は限りなく大きい。
・ザッポスの社員が提供するのは「忘れ難い体験」であり,それを「幸せのデリバリー」と呼んでいる。
・ザッポスのCLT社員評価は50%がスキル,50%が顧客満足のために普通を超えたサービスを提供できたか。
・ザッポスでは10%にあたる時間を「社員と顧客に幸せを届ける」研究にみなが取り組んでいる。
・ザッポスのマネージャーは10-20%の時間を「チーム・ビルディング」にあてる事を義務づけられている。
・ザッポスは新人を4週間かけ教育する。第1週終了時点で2千ドルもらい採用を辞退するオプションがある。
・ザッポスCLT社員は,顧客の欲しい靴が在庫切れの場合,他社サイトを調べて伝えるよう教育されている。
・ザッポスCLT社員は,靴に関係ないことでも,顧客の質問や要望に親切に対応するよう教育されている。
・ザッポスではツイッターを奨励し,500人超の社員が公開活用している。規約はなく自主性にまかせている。

自分自身、上記二冊を拝読したことで、新たに感じることがとても多くありました。

是非両方読んで頂きたいです。


顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

ザッポスの奇跡(改訂版)〜アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略〜