高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 勝間和代 【書評:ビジネス書】

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勝間 和代

小学館
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学歴。

実力主義というのはある意味建前。実際には学歴がある上である程度の実力を求められるのが一般的な考え方です。効率化という名のもとに学歴差別とかの理由から多くの人が大変な目に合っていて、特に日本は新卒至上主義であるがゆえに、今の新卒の大学生はとても苦労をする時代になってきています。

自分自身も学歴がよいとは言えません。ただ、その現実の中で「自分には何ができるのか?」と考えたことで、普通の方よりもチャレンジをしてきた経験は多かったと思いますし、それに伴い多少なりの成長や自信も身につけることが出来ました。

今回ご紹介するのは、勝間和代さんの新作「高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人」。

本書では学歴をテーマに、いかにそれが実際の成績とは関係ないという点について良く書かれていました。これまでに勝間和代さんの書籍を読んできてもう飽き飽きしていると言う方にも結構オススメできますよ。自分自身もかなりうんざりしていたほうなんですが、本書は割と新しい視点が多かったですし、内容も刺激のあるものが多くありました。


簡単にですが、自分がピンと来た点についてまとめてみます。


・子供の学力は何によって決まるのか?

→「家にある本の数」


・スコトーマとは?

心理的な盲点にある情報。


・私達は見た物を鏡のように頭に写しているのではなく、自分の物の見方というフィルターを通して物事を見ている。だからこそ、同じ物事でも人によってその理解は異なる。そして、自分の知識データベースが豊富であるほど、ものを正確に認識することが出来る。


・アカデミックスマートは、自分を守ろうとしてリスクにチャレンジ出来ない。机上の空論で終わる。


・時間割引率が高い=現在の自分の行動の影響で、将来の利益が減っても良いということ。分かりやすくいうと「我慢強くない」。例をあげると、「太っている人」は、行動経済学的観点から捉えると「時間割引率が高い人である確立が大きい」(誤解の無いように書くと、僕の意見ではなく、本書にこのように記載されています。まあわからなくもない感じですが、ロジックに頼り過ぎている感もだいぶありますね。。)


・運がいい人の4つの特徴

1.チャンスを最大限に広げて、生かしているひと
2.直感と本能を信じて、気づきが多いひと
3.将来に対して目標や夢があり、幸運を期待するひと
4.不運な事があっても、それを幸運に変えられるひと


・様々なことの定理をみつけて、志向を節約することを「ヒューリスティック(経験則)」と呼ぶ。ストリートスマートな人は、優秀な実行性のあるヒューリスティックを持ち、通り道を知っている。そこからリスクを計算できる能力にもつながる。逆をいえば、アカデミックスマートな人は実行性のあるヒューリスティックを持ちあわせていない。だから、リスクを容易に計算できないし、チャレンジに挑むことも容易では無くなる。


・天才とはそれまでのデータと思考回路の結果。無から有は決して生まれない。


・下着会社のトリンプは「売れた品物の情報」ではなく、「お客様の要望があったにも関わらず、欠品していて売れなかったモノ」の情報を収集。コンビニなどのPOSシステムとは完全に対比となる考え方。



本書を読むことで、僕も含めて不安な人の心の支えややる気の源になれればと思います。


バカの壁 (新潮新書)バカの壁 (新潮新書)
養老 孟司

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参考書籍として、養老孟司さんの「バカの壁」もおすすめ。